Not Free




「ハレルヤ」
「……っ、ぅ」

感情の籠らない声で囁きを落として、アレルヤはぐっと身を進めた。
微かに上がった悲鳴と、仰け反る喉元に、口元が勝手に綻ぶ。
それに気付いたハレルヤがギッと殺気立った目でこちらを睨み付け、悪態を吐いた。

「てめっ…この…」

逃げようともがく動きは、無駄に刺激を与えるだけなのに。

「そんなに動いたら…もっと痛いよ」
「あっ、く…ぅ…!」

案の定。繋がった部分が擦れて、ハレルヤはひゅっと息を飲んだ。
きつく閉じられた瞼の上を、指先で優しく なぞる。

「…だから言ったのに」
「てめ…っ!抜け、抜けよ…アレルヤ…!」
「いいのかい、抜いて」
「えっ …あっ…」

角度を変えるように彼の中を突くと、明らかに反応が変わり、困惑の声が上がった。

「あっ…あ、はっ…ぁ!」

息つく間もなく律動を叩き付けると、ハレルヤは喉を鳴らして声を上げた。

「すぐ、もっと良くなるよ」
「ふ、ぁ…くそっ…たれが…!」
「そんなこと言ったって…怖くないよ」
「んっ、ん…!止めろ、こらっ…!」

そんな憎まれ口を叩くのに、ハレルヤの内壁はさっきからきゅうっと収縮してアレルヤを締め付けて離さない。

「ハレルヤ…ぼくにはきみしかいないんだよ」
「わ、かってる…、バカやろ…!」
「解かってるくせに、何であんなこと…」
「うっ、く…、ただ、家に行っただけだろ…うが!」
「それは解かってるけど」
「本当に、何も、ねぇよ!」
「ああ…。本当は…ちゃんと解かってるよ、ハレルヤ…」

優しい声で言いながら、アレルヤは震えて仰け反る喉元に唇を寄せ、柔らかいその場所にキスを落とした。引き締まった体がびくりと揺れ、ざわりと肌が粟立つ。尚も舌先でなぶり、軽く歯を立てて優しく責めると、ハレルヤは短い吐息を漏らして鳴き声を上げた。

「ここ…いいんだ…?」
「う…るせ、くそ…」
「急所がいいなんてね…危ない嗜好だよ」
「んっ、あ、あ…っ!」

一際強く歯を立て、吸い上げた途端。甲高い声を発してハレルヤは限界へと引き摺られた。
びく、と強張った肢体が、呼吸に合わせて徐々に力を抜いて行く。
大きく上下する胸板に手を伸ばし、アレルヤはそこを指先でゆっくりとなぞった。

「は、…アレル…ヤ、てめぇ…」

潤んだ目に睨まれ、アレルヤは微笑した。

「狡いよ、きみだけ」

甘い声で揶揄するように囁くと、アレルヤは再びゆっくりと熱い内壁を掻き分けて奥へと進んだ。